--> 勝常寺 | 会津の里寺

会津三十三観音 十番札所

瑠璃光山

勝常寺

しょうじょうじ

【湯川村】

ふくよかな国宝「薬師如来坐像」が千年の時を語る。

ほ

東北地方唯一の平安期国宝仏が残る会津の中央薬師。

勝常寺 湯川村勝常寺はこのサイトを作るきっかけとなったお寺。
卒論で「日本の国宝」について書きましたという知人がいて、その時に生まれ育った会津に「国宝」はあるのだろうかという単なる興味でWEB検索したら建物に混じって「仏像」でリストアップされていたのがここ「勝常寺」。
意識してお寺などへ行ったことがなかったが、調べると平安時代のものらしく中央をはるかに離れたこんな会津の田舎に残っているのは奇跡と書いてあるページもあった。これは以外に「会津」はお寺が多いのではないだろうかとさらに調べて見ると、頻繁に「徳一」(とくいつ)という僧の名前が出てくる。
「誰?」とさらに調べて見ると…これはもう面白くなってきた。 じゃ、みんなに知ってもらいたいと思うようになった。
知らない会津がそこここにあり、ますます古里が好きになった。
勝常寺は、村の駐車場(南から来て小学校の手前)に車を置いて徒歩2分。寺の前に駐車できないこともないが、近所の迷惑になるのでオススメしない。
駐車場からすぐにT字路になるので右へ進む。この道ももともと参道であったらしい。収蔵庫の中に、元の伽藍配置図があって当時は広々とした敷地があり、多くの建物を持ち入り口には左右に五重塔がそびえていた大伽藍だった。
現在は、門と薬師堂、収蔵庫、少し離れて本坊と庫裡があるだけだが寂びた感じが趣を添えている。

門をくぐると右手には、薬師如来以外の仏像が納められている収蔵庫があり左には、売店とトイレが並んであり正面は薬師如来が納められている銅板葺の薬師堂が大きくそこにある。
薬師堂は「会津中央薬師」と呼ばれ1398年に再建されたもので、会津盆地の真ん中に位置するお寺である。
季節がいい時期の週末は、そこそこ見学の人々があるがそれ以外はいつも貸し切り状態で運がよければ近所の子供たちが遊ぶ姿があり、いい被写体に恵まれることもある。

薬師如来を拝むには、事前予約が必要だが人が多い時期は予約している方が結構いるのでその場で見学を申し出れば大丈夫。靴を脱いでぞろぞろと薬師堂の中に入ると、照明がないので目が慣れるまで少し間がある。板の間から厨子へ移動するとようやく光をとらえた目が、一段高いところにある大きなシルエットが薬師如来坐像だとわかる。
住職の解説を聞きながら仏像とその周辺に目をこらし、千年もここに座っている時の長さの手がかりを感じようとしている。仏像はふっくらと丸みをおびていて親しみやすい。造りなど興味がある方はウィキペディアへ)薄暗い自然光の中で見る千年の仏像は、何もかも見通されているような畏敬と人間の戯言を聴いてくれる慈悲も感じてくる。
堂の外へ出ると、春の光に一瞬視界が白くなる。続いては、脇侍たちが収蔵されている収蔵庫へ移動する。
ここの日光・月光菩薩立像は是非見てほしいものだ。写真)なだらかな曲線とゆっくりと動き出しそうなポーズと初期の人間ぽいリアルな表現が重厚です。収蔵庫にはその他にも、地蔵菩薩立像などなど30体余りが集合していいてそのうち10対余りは国の重要文化財の指定をうけているものである。この仏像の数だけでも当時大寺院だったことは容易に想像できる。会津盆地のこの地が、勝常寺を中心に文化的に栄えていて人もモノも賑やかな往来があり、貧しいながらも頼れる信仰を持ち豊かに暮らしていたのではないだろうか。
ある時には病の家族のため、苦しい生活を忘れるため祈り、そして家族や隣人を想い人々は祈ったのだ。会津のどこの寺もが祈りに満ちている。

[] 内容の一部は歴史春秋社:会津の寺を参照しています

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勝常寺は大同2年(807年)に慧日寺を開基した、徳一がひらいたといわれています。当時は、七堂伽藍など多くの建物が建つ大寺院でした。
現在は、薬師堂、仁王門、本坊だけがひっそりと残っていますが、華やかだった頃の証拠が薬師如来座像(国宝)をはじめ11体の仏像として残っています。
薬師堂は、応永5年(1398年室町時代)に再建され、その他は近世の建物になっています。
またここの立地は、慧日寺とは違って会津盆地のど真ん中に建っています。慧日寺が僧のための山岳信仰の基地のような位置づけでここ勝常寺は、庶民のための寺だったようです。

[] ※参考:歴史春秋社刊「会津の寺」

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Basic information

勝常寺(しょうじょうじ)
  • 住所 福島県河沼郡湯川村勝常代舞1764
  • 交通 JR東日本磐越西線堂島駅から車で15分
  • その他 駐車場/売店/トイレあり
  • 拝観 有料(要予約)冬期は不可
  • ここから近いお寺:慶徳寺(車27分)・恵隆寺(車16分)
  • ■山名:瑠璃光山 密蔵院(るりこうざん みつぞういん)
  • ■開山:徳一 大同二年 807年
  • ■宗派:真言宗
  • ■会津三十三観音:十番札所
  • ■本尊:薬師如来坐像(国宝)
    月光菩薩立像(国宝)・日光菩薩立像(国宝)・四天王立像・十一面観音立像・聖観音立像・地蔵菩薩立像・天部立像
  • ■建物:薬師堂・仁王門・本坊・庫裡・収蔵庫

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